Abstract
アンモニア,γ線照射-アンモニア,アニリン処理を行なった塩化ピニリデンー塩化ビニル共重合(PVCI2(Am),PVCI2(γ-Am),PVCI2(A)),フィルムおよびγ線照射-加熱処理を行なったポリ塩化ビニル(PVC(γ-T))フィルムについて,気体透過性に対する二重結合・橋かけ生成の影響を検討した。二重結合の生成は,PVCI2(A)では気体透過係数を増加させる作用をし,PVC(γ-T)フィルムでは減少させる。前者の気体透過のみかけの活性化エネルギーは,未処理フィルムにくらべて減少,後者ではほとんど変化なかった。橋かけの影響はPVCI2(Am)フィルム,PVCI2(γ-Am)フィルムのヘリウムの透過から検討した。これらのフィルムは二重結合も同時に生成するが,橋かけのない二重結合フィルムとくらべて,透過係数,拡散係数の増加はわずかであり,橋かけは,塩素含有高分子フィルムの場合,気体分子の気体透過を抑制する作用がある。