Retrospective follow up study of a prevailing hepatitis in Nagai city and its vicinity in Japan.

Abstract
1967年から6年間にわたり出形県長井市近郊に流行した急性肝炎の原因ウイルスの究明と長期予後を検討した.流行当時,118名の急性肝炎患者が入院加療された.臨床症状,血液検査からA型肝炎は考えられなかった.HBs抗原ほ陰性であった.118名のうち,追跡調査が可能であった44名の肝機能検査を行った.10例に肝生検を実施した.また,HBV関連抗原抗体,HCV抗体の検出を試みた.その結果,44例のうち,肝機能検査で異常を呈したものは16例(43,2%)あった.肝生検した10例のうち,6例が肝硬変,2例は活動型の慢性肝炎,2例は非活動型の慢性肝炎であった.B型筋炎ウイルスの関与は否定されたがHCV抗体は,現在もなお肝機能異常を認める16例全例が陽性であった.これらのことからこの肝炎の流行はC型肝炎によるものであることが示唆された.