Role of Antibody Detected by the Indirect Fluorescent Antibody Test in the Clinical Signs of Cattle Infected with Theileria sergenti

Abstract
1. Theileria sergenti 実験感染牛では, 抗体価がピークに達した後, 寄生率は低下し, 赤血球容積が増加した. また, 急性貧血で死亡した摘牌牛では, 抗体を検出できなかった. 2. 自然感染発病牛は発病時においても高い抗体価を有し, 回復期にはさらに上昇する傾向があった. 3. 自然感染および実験感染から, 臨床的に回復した牛に対して, 再攻撃した結果, 寄生率の上昇や貧血は認められなかった. 4. 感染耐過牛に副腎皮質ホルモンを投与した結果, 抗体価は変動しなかったが, 赤血球内寄生率は急激に上昇して発症した. 以上の結果から, T. sergenti の免疫機構に, 液性抗体が一定の役割を演じていることは明らかである. しかし再発例にみられたように, 細胞性免疫の関与も無視できない. 本論文の要旨は, 第77回日本獣医学会において報告した.