Mesoporous Materials with Uniform Pore Size; Synthesis and Their Applications.

Abstract
層状ケイ酸塩のカネマイトからその単位シートを折り曲げることによりメソポア結晶が得られることを著老らは示した.ポリケイ酸の構造,それらのインターカレーショソ反応,シリケート層間の縮合反応,シート折り曲げによるメソポア材料(FSM)の生成機構,およびそれらの応用の可能性についてまとめた.ニケイ酸ナトリウム(Na2Si2O5)やカネマイト(NaHSi2O5)はSiO4-四面体イオンと層間陽イオンとで構成されている.この陽イオンを有機陽イオンで交換することによりポリケイ酸と有機イオソとの複合体が得られるiホストにカネマイトを用いた場合,単位シート間の縮合反応がイオン交換反応と同時に観測された.この有機陽イオンを焼成除去することによりメソポア材料が得られた.このイオン交換をpH=12で行うと,Sio4一四面体シート問の縮合は起こらず,シートの折り曲げのみが進行した.その後,pHを8.5に調整することによりシート間の縮合が進み六方対称を持っポリケイ酸/有機複合体が得られた.これを550℃ で焼成することにより,均一な孔径の細孔が規則的に配列した結晶が得られた.著者らはこの生成機構をシート折り曲げ機構と呼び,合成された材料をFSM(Folded Sheets Mechanism, Folded Sheets Mesoporous Materials)と呼んでいる.管状の形の有機陽イオンでイオン交換したり,上記のイオン交換の際にアルコールを添加することにより層状構造の複合体が得られることも確認された.このようにして合成されたメソポア材料(FSM)は吸着剤,触媒,あるいは金属や半導体のナノクラスター合成のホスト材としてなどの応用が期待されている.