Abstract
分子量3500以下のオリゴスチレンについて,トルエンおよびメチルエチルケトン中で,微分比圧縮率,極限粘度,浸透圧第ニビリアル係数を測定した。両溶媒中ともに微分比圧縮率はモノマーから分子量の増加とともに滅少し,分子量約3000の点で極小を示した。またこの分子量の点で極限粘度-分子量の関係は不連続となり,第ニビリアル係数も大きく変化した。とくにメチルエチルケトン中の第ニビリアル係数はこの点で極大を示した。これらのことから,分子量,約3000の低分子側では,剛体溶質模型の無熱溶液に相当するが,この分子量を越えると高分子性(屈曲性)が現われ,この二つの溶液状態の転位点で微分比圧縮率,極限粘度,第ニビリアル係数が変化したと考えた。