The Distribution of Copper and Zinc in the Indian and the Southern Ocean Waters

Abstract
第4次 (1959~1960年) および第6次 (1961~1962年) 日本南極観測隊により, 日本から南極大陸に至る航行中に, 観測船宗谷船上から採集された表面海水の試料について, 銅および亜鉛の含量を測定した。 採集試料は硝酸酸性とし, ポリエチレン瓶に保存した。測定は, アルカリ性でジチゾン四塩化炭素溶液により抽出される部分に対して行ない, 銅は, ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムによる比色法, 亜鉛は, ジチゾンによる混合色法によった。 採集後, 浮遊物を濾過した試料についての測定結果は, 南極海域で, 平均1.6μg-Cu/l, および7.5μg-Zn/lであり, インド洋海域では, 平均1.4μg-Cu/lおよび5.5μg-Zn/lであった。濾過しなかった試料についての結果は, 濾過したものに比べると, 一般に, 銅および亜鉛含量は高い値が得られた。ケープタウンから南極大陸までの間の海域では, 南緯50度の南極収束線付近を境にして, その含量に差がみられた。