Determination of cadmium using preconcentration with adsorbent followed by photoacoustic examination of one particle.

Abstract
水溶液中の微量金属成分を定量する方法として,吸着濃縮法と光音響法を組み合わせた分析法について検討した.金属イオンとしてCd2+を水に不溶な8-キノリノール錯体としてXAD樹脂に吸着させた粒状試料をレーザー励起光音響法により,粒子一粒を用いて定量分析を試みた.その結果Cd2+吸着量と光音響信号の間に直線関係が見いだされ,粒子一粒当たり7~190ngのCd2+が定量できることが分かった.これは濃縮率2000倍の前処理を行う場合,元の試料溶液中のカドミウム濃度0.15~4.15 ppmに対応する.一般に,粉体の光音響信号の解析は複雑な取り扱いを必要とするので,粒子一粒で分析できる本結果は実用的にも有用であると判断された.