Clinicopathological Characteristics and Surgical Outcome of Gastric Carcinoma with Regard to Aging.

Abstract
加齢に伴う胃癌の臨床病理学的特徴の変化と手術成績を検討した. 切除例を49歳以下 (若年群, 511例), 50~69歳 (中年群, 1,476例), 70歳以上 (高齢群, 363例) に分けると加齢に伴い占居部位では胃上部と下部, 肉眼型では早期癌の隆起型, 進行癌の1型と3型の割合が増加した. 深達度, リンパ節転移, 腹膜転移, 肝転移の程度に差はなかったが, 組織型では高齢群に膨張型の浸潤増殖様式と分化型が多かった. 高齢群にリンパ節郭清度のD1と根治度Bの割合が多く, 他臓器重複癌, 胃内多発癌の頻度も高かった. 治癒切除例の5年生存率は高齢群で有意に不良であったが, 相対生存率では差は認めなかった. 多変量解析で高齢群に対する若年群, 中年群の相対ハザード比は0.51, 0.61と有意に低値を示した. 高齢者の治癒切除例の予後は他病死の影響を補正した結果からD1郭清, 根治度Bの切除でも十分な治療成績をあげ得ると思われた.