Abstract
野口研究所および新日本窒素肥料株式会社(現チッソ株式会社)により開発されたHCIガス法木材糖化は前加水分解,主加水分解,後加水分解など色々の工程をもち,各工程の生成物は多くの酸,糖などが混在していて,単一物質の分析法として確立している従来の方法をそのまま適用できない場合がある。この報文は,実際の工業化研究において必要となる各工程の生成物に対する分析法を説明し,そのうちのトレンス蒸留法によるペントースの定量,グルコース溶液に少量含有するキシロースの定量,還元糖の定量,PRS分析法などの検討を行ない,分析例として原材,前処理,後処理の各段階における試料および糖蜜の分析結果の一例を示した。