An injury of the liver caused by ischemia-reperfusion in rat liver.

Abstract
ラット肝の虚血・再循環による実験的肝障害の病態モデルを作製した.虚血時間に伴い脂質過酸化物は増加し,再循環60分後では更に増加した.GOT,GPTおよびLDH値は15分虚血・再循環で正常値の10倍以上に,60分虚血-再循環では100倍以上の高値を示した.肝マイクロソームの蛋白量は60分虚血-再循環後には対照に比べ約50%減少し,cyt.p-450含量も虚血60分頃から減少した.一方,b5含量は虚血時間に伴い反対に増加した.haem oxygenase活性にはほとんど活性変化は見られなかったが,NADPH cyt.c reductase活性は虚血後再循環で著明に低下した。また,このモデルによる生存率も虚血時間に反比例し,60分虚血後再循環では2日後に約40%のみ生存した.この肝の虚血-再循環モデルはCCl4投与肝障害モデルとは相違し,活性酸素による肝障害の病態モデルとして最適であり,種々の肝庇護剤の開発および虚血による細胞障害機構とその保護のための基礎的なデーターの検討に有効なモデルと思われる.