Study of mechanisms and effects of sodium 5-hydroxydecanoate on experimental ischemic ventricular arrhythmia.

Abstract
Sodium 5-hydroxydecanoate(5-HD)のイヌまたはラットの虚血性不整脈に対する作用およびその作用機序について検討した.200mg/kg(p.o.)単回投与あるいは3~100mg/kg(p.o.)の1週間連投の5-HDにより,ラットの冠結紮誘発心室細動は抑制された.3ないし10mg/kg(i.v.)の5-HDは,冠結紮犬の低下した心室細動閾値を上昇させた.10-5~10-3Mの5-HDは摘出ラット灌流心の虚血によるK+流出を抑制し,モルモット単一心筋細胞のATP感受性K+チャネルの開口確率を減少させた・また,10-3Mまでの5-HDは,摘出ラット灌流心の虚血による心筋高エネルギーリン酸化合物含量の低下を改善しなかった.以上のことより,5-HDの虚血性不整脈への作用の少なくとも一部は,虚血心筋からのK+流出抑制作用によると考えられ,このK+流出抑制作用には,5-HDのATP感受性K+チャネルへの直接的な抑制作用が,寄与している可能性があると考えられた.