Special Articles: Environmental Sciences and Analytical Chemistry. Evaluation of water quality of Sagami river and its tributary rivers analysed by ICP-MS.

Abstract
ICP質量分析法(以下ICP-MS)を用いて相模川水系の試料につき21の微量元素の定量を試みた.相模川の上流から下流まで支流を含めて39か所において1993年5月から11月まで毎月1回採水し,各元素の地域によるパターン,経時的変化,各地点での元素のパターンなどを解析した.その結果上流から下流への挙動が類似している幾つかの元素のグループが認められた.又,支流の鳩川において1993年11月,Liの濃度が突然2けた近く上昇し,その影響が相模川本流にまで及んだ.一方特定の採水地点での元素濃度のパターンはそれぞれの支流でかなりはっきりと違いが現れ,そのパターンは時間的にあまり変動しない.これら微量元素の挙動は従来全く明らかでなかったものである.このようにICP-MSは天然水中の微量な多元素のモニタリングには極めて適していることが分かった.