Studies on the lsolation, identification and viability of primordial germ cells in the mouse.

Abstract
始原生殖細胞(Primordial germ cells, PGCs)は,将来卵子あるいは精子へ分化することのできる唯一の細胞群である.卵子や精子は受精後全能性を獲得するが,減数分裂以前のPGCsが全能性あるいは多能性を保有しているか否かは明らかにされていない.本実験は,今後,集合法や核移植技術等を用いて,そのような能力を検討するための基礎資料を得ることを目的として,胎子の性別や日齢の生殖隆起の形態変化,およびPGCsのアルカリフォスファターゼ活性に及ぼす影響,ならびに体外での保存時間に伴う生存性の変化についてそれぞれ検討した.得られた結果は次のとおりである.胎子の日齢が進むにつれて生殖隆起は雌雄ともに短径と長径の比が1に近づき,しだいに長形から円形へと丸くなっていくことが判明した.PGCsのアルカリフォスファターゼ活性は減数分裂開始後も低下しないことが判明した.PGCsを室温で1~5時間保存しても,保存時間に伴って生存率は低下しないことが判明した.