Abstract
フェノール類を3-メチルベンゾチアゾリノンヒドラゾンと酸化剤の存在下に反応させて,生成した有色誘導体を薄層クロマトグラフィーの試料とする方法を検討した。この方法: 1)他の誘導体合成法にくらべて反応副生物の数が少なく,単純なクロマトグラムが得られる, 2)異性体の相互分離が良好である, 3)検出感度も高く,しかもp-置換フェノールも同時に検出できる,などの特徴をもつことが認められた。 p-置換フェノールからの誘導体のRf値は他の異性体からのものにくらべて小さく,色も一般に深いことが認められた。これは,誘導体の若干を単離し,その構造について検討した結果,この誘導体がシリカゲル上で錯体を形成することによる,と推定した。