STUDIES ON MALE SEXUAL IMPOTENCE

Abstract
我々は勃起不全症例15例に最近白井により新しく考按された double rod の silicone prosthesis (semi-rigid type) の陰茎内挿入手術を行つた.この prosthesis は Small-Carrion 型と Finney 型の中間にあたる prosthesis で日本人を対象として作られている. 手術は陰茎根と恥骨の間に切開を加え, 陰茎海綿体内に prosthesis を挿入した. 手術症例は脊髄損傷6例, 直腸切断術後3例, 膀胱全摘除術後2例, 前立腺全摘除術後, 糖尿病, 骨盤骨折, 心因性インポテンス各1例である.手術成績は15例中3例が術後 prosthesis の抜去手術を行つているが, のこる12例はいずれもほぼ満足のできる性生活を行つている. これら術後 prosthesis の抜去手術を施行した症例は1例が術後の創感染, 1例が prosthesis のサイズの不適合による長期の陰茎痛, 1例が妻の拒否が原因となつている. この3例のうち2例は prosthesis 挿入手術に対して, 自分に都合の良い解釈をしていた. 本手術はあくまで器質的インポテンスの姑息的な治療であることを患者に理解させることが重要で, 手術の適応は慎重にしなければならない.
Keywords