Deposition of Sr-90 and Cs-137 in Tokyo through the End of July 1963

Abstract
1963年7月末におけるSr-90およびCs-137の蓄積量は,減衰を考慮してそれぞれ45.2mc/km2および125.4mc/km2である.1961年9月以降1年間のSr-90降下量の測定から,1961年秋に行なわれた核実験の核分裂および核融合エネルギーの割合を1:5,また,Sr-90の全放出量をおよそ2MCであろうと推定した. 成層圏における放射性ちりの滞留期間を新たに計算した結果,最小値として1年という滞留期間がえられた.全β放射能から計算したSr-90の値と,放射化学分析によりえられたSr-90の測定値の比較を行なった.その結果,1961年11月から1962年5月までの期間でよい一致がみられた.放射性降下物の降下量と気象条件の関係について解析を行なったところ,降下量の増加は,観測地点の上空500mbに気圧の谷が存在した時観測された.1961年10月26日から27日にかけて降った雨水の放射性核種分析結果,および,1961年9月から12月まで,東京において採集した空気中の放射性ヨウ素の測定結果を示した.