METHODS OF MANUFACTURE OF ACTIVE CALCIUM CARBONATES AND THEIR REINFORCING EFFECTS ON SYNTHETIC RUBBER (IV)

Abstract
ソルビン酸で活性化した反応性炭酸カルシウムについて各種一般用合成ゴムに対する補強効果を検討した. その結果, この反応性炭酸カルシウムは無処理炭酸カルシウムに比較して優れた性質をこれらのゴムに与えることを認めた.反応性炭酸カルシウムの補強作用を検討するために, 平均粒子径をいろいろ変えた反応性炭酸カルシウムと無処理炭酸カルシウムを製造し, 平均粒子径がほぼ同一とみられるものについてゴムに配合し, えられた加硫ゴムの物理特性を比較した. その結果, 反応性炭酸カルシウムの方が良好な物理的性質を与えることがわかった.また, 無処理の炭酸カルシウムのけん濁液にソルビン酸を添加したものやロール混練時にソルビン酸あるいはソルビン酸カルシウムを添加した場合のゴムに対する影響を調べたところ, いずれの添加方法においても加硫を速めると同時に加硫ゴムの引張応力, 引張強さが向上することがわかった. しかしその効果は水酸化カルシウムにソルビン酸を反応させて炭酸ガス化合した反応性炭酸カルシウムにくらべるとかなり劣ることが示された.さらに, 充てん剤変量配合試験における加硫ゴムの初期応力-伸張曲線および膨潤より推定される網目間鎖数濃度より判断して, 反応性炭酸カルシウムは無処理炭酸カルシウムにくらべて補強活性が大きいことがわかった.