High Resolution Nuclear Magnetic Resonance Spectra of Medel Compounds Related to Lignin with DMSO as NMR Solvent

Abstract
NMR溶媒にジメチルスルホキシド(DMSO)を用いて,リグニンの高分解能NMRスペクトルを測定するにあたり,リグニンの単量体および二量体モデル物質を試料として,DMSOの溶媒効果およびモデル物質の各種結合形態水素の化学シフト等の基礎的な資料を得るために行なった。DMSO溶媒におけるリグニンモデル物質の各プロトンシグナルは,テトラメチルシラン(TMS)からの化学シフト(δ値)で表わすと,クロロホルム溶媒の場合と比較して約0.1ppmほど高磁場に現われる傾向があるが,全般的に両者はほぼ良い一致を得たσしかしフェノール性,アルコール性水酸基水素の化学シフトはそれぞれδ値8.08~10.05,4.44~5.55PPmの範囲にあり,かつ水酸基水素の共鳴磁場は溶質の濃度によって変化しない。モデル物質を構成する各水素は,その結合形態の種類によってそれぞれ一定の領域範囲内で共鳴する。また各領域内に現われるシグナルの面積強度を測定し,これから求めた各結合形態水素の含量は,理論値と良い一致を得た。