Enteritis due to Feline Infectious Peritonitis Virus
- 1 January 1982
- journal article
- research article
- Published by Japanese Society of Veterinary Science in The Japanese Journal of Veterinary Science
- Vol. 44 (1), 97-103,106
- https://doi.org/10.1292/jvms1939.44.97
Abstract
臨床・病理・血清学的にネコ伝染性腹膜炎(FIP)と診断され死亡したネコ4例および仔ネコの実験接種例14例について, 腸病変とウイルス抗原あるいはウイルス粒子の所在を検索した. 自然例2例および実験例12例が下痢を発した. 多くの病例の小腸・大腸粘膜は水腫性に肥厚し, 腸内容は水様~粘液状であった. 自然例3例および実験例12例の小腸・大腸病変は粘膜上皮の変性・剥離・増生を特徴とする比較的表在性の変化で, 固有層には浮腫, 少数の好中球お上び単核細胞浸潤がみられ, 隣接上皮細胞相互の癒合もしばしばみとめられた. しかし, 他の自然例1例および実験死亡例2例では, 小腸・大腸ともに炎症病変は激しく粘膜深部に及んでいた. これらの自然例および実験例の腸上皮細胞細胞質にはウイルス特異蛍光がみられ, 電顕ではコロナウイルス粒子が検出された. コロナウイルス粒子は自然例および実験例の糞便中にも検出された. 以上のことから, 腸病変部から排出されたウイルスが糞便を介して伝播する可能性が示唆された.This publication has 1 reference indexed in Scilit:
- Serodiagnosis for Feline Infectious Peritonitis by Immunofluorescence Using Infected Suckling Mouse Brain SectionsThe Japanese Journal of Veterinary Science, 1981